アドバイス例


転職をする際には、主に人材会社とウェブを利用する方法があります。どちらを利用した方が良いでしょうか。

転職サイトに登録・応募する方法は、きわめて便利です。スカウト機能もあり、自分のスキルを細かく登録しておき、興味を持ってもらえると求人側からアプローチしてくれますし、現在は20社程度の転職サイトに同時にまとめて登録できる転職サイトもあります。職務履歴を記入する欄は、フリースペースで自由に記載する形態になっているため、経歴内容を他の応募者と差別化する工夫が必要です。

人材会社の場合、訪問し面談のうえ登録するプロセスとなっていて、平日夜や土曜日を利用して時間を割くことが必要になります。ただ、面談することで細かい要望を聞いてくれますし、スキルチェック・適正試験や性格診断などを実施しフィードバックしてくれるところもあります。また、面接に備えたアドバイスや準備資料も提供してくれたり、応募先企業の面談者の性格やタイプを教えてもらえる場合もあります。それでも具体的な求人紹介をもらう時には、注意しておくことがあります・・・(中略)


とても魅力的な転職先があります。確実に面接につなげるためには、どうしたらよいでしょうか。

まず、転職先が歓迎するスキル・能力・資質・態度が、自分が持っているものと一致するかどうか確認しましょう。相手が求めている人材像とギャップが大きいと、あなたが魅力的に映りません。転職先がすばらしい、欲しいと感じる人材としての価値をあなたが見せることができれば、成功につながります。

転職の第一関門として書類審査がありますので、それを通過するためには、あなたの経歴が価値あるものとして示すために、具体的に表現し「証明」する必要があります。それには、単なる経歴の羅列ではダメです。求人する側は、どんな仕事をした結果どんな成果をあげているか。本人の資質や態度はどうか。入社後、期待するような成果をあげてくれるだろうか、上司や同僚とうまくやっていけるだろうか、を重視しています。求人企業側の期待を持たせる職務経歴を作成することがポイントです。

このような資料を作成するためには、まず、今現在所属する会社に貢献し、十分な成果が出し、自分の市場価値を上げたうえで転職するべきなのです。


具体的にどんな職務経歴書を作成すれば良いでしょうか。

これまでに担当・経験した業務を記載し、自分が何をしてきたのかを伝えるのが職務経歴書ですが、経歴の羅列だけでは、あなたの価値を十分に伝えられない可能性があります。あなたが応募した企業から「業務をこなしてくれるポテンシャルを十分に備えている」と思わせなければなりません。

自分の業務内容を記載したら、その横に、業務を通じて何を成し遂げたかを知ってもらうために、主な成果を具体的に記載しましょう。成果は、量的な成果(これだけの期間にこれだけの売り上げをあげた、人脈をこれだけ増やせた等)と質的な成果(客先での会社の立場が向上した、○△について学んだ等)の両方を記載すると効果的です。さらに、業務を通じて得られたスキルや態度についても記載しておくと印象が高まります。

あなたを理解してもらえるためには、あなた自身が自分を理解する必要があります。新入社員の時と比較して、今と自分がどう変わったかをじっくり自分を見つめなおす時間を持ちましょう。自分が成し遂げたことを振り返り、焦らず時間をかけて作成することです。


面接の準備は、どのようなことをすべきでしょうか。

応募先での面接で、必ず聞かれる質問があります。「転職の理由」「これまでの仕事内容」「志望理由」「どんな貢献ができるか」「自己PR」など。考えられる質問項目は、10数種類あり、どんな質問がきても答えられる準備が必要です。人材会社などでは質問リストの提供があり、回答のポイントなどのアドバイスが得られます。

自分なりの回答を熟考し、書き留めておくことが大事です。過去を振り返り何度も推敲を重ねて、自分にとってのベストの内容を作成しておきましょう。また応募先への質問事項も忘れずにピックアップしましょう。

回答の内容については、マニュアルを参考にしても良いでしょうが、マニュアル通りに回答するのは、没個性的で型にハマった印象を与えるので、流用するのはダメです。個人的な経験を具体的に話し、その経験から得られたモノを話すと面接官も納得できます。

また、面接官は「職場でこの方と一緒に仕事ができるだろうか」「一緒に働きたいか」という視線を持っているので、明るい態度・この会社で仕事をしたいという態度を示すことも重要です。


前職の退職から長いブランクがあり、応募に不利に働くのではないかと心配です。

日系企業は(特に大手企業ほど)仕事の間のブランク期間をとても嫌います。私の場合は自主退職後、海外渡航したため2年近いブランクがありました。その間は語学学校に通ったり、短期間ではありましたが仕事も得ることができ、遊んでいたわけではありませんでしたが、そのようなものはキャリアとして認めてもらえませんでした。

しかし、仕事でなくとも、どういう経験ををして何を得たかが自分の中にあり、自信を持って言えるような時間を過ごしたのであれば、自分を卑下する必要は全くありません。

前頁「転職・再就職の悩み」のページにも記載しておりますが、外資系企業はこのようなブランクをマイナスにとらえる傾向は少ないので、応募してみる価値はあると思います。ただしある程度の語学力を求められますので、TOEICの点数を上げておくなどの努力は必要です。